マイセンについて

マイセンの歴史

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17世紀、ヨーロッパの王侯貴族などの間では東洋の薄くて硬い白磁器(中国の景徳鎮や、日本の伊万里など)が貴重な美術品としてもてはやされましたが、当時のヨーロッパでは磁器の高度な製造技法がありませんでした。そこで収集家としても有名だったドイツ・ザクセン選帝候アウグスト2世(強王)が、自国での白磁器の製造を願い、1705年、錬金術師べドガーに白地の磁器の製造を命じます。

1709年、ついにべドガーはチルンハウス伯爵の協力のもと、ヨーロッパではじめての白地の磁器の製造に成功。そして、アウグスト強王は、ドレスデンから20kmの自然の要塞に守られたマイセンのアルブレヒト城内に磁器工場を設立します。

さらにべドガーをアルブレヒト城に軟禁することで、製造技法の他国への流出を徹底的に防ぎました。以後150年に渡ってこの工場からマイセン磁器が製造されることになります。

1717年には磁器の染付けにも成功し、1722年にはマイセンのトレードマークである双剣(アウグスト王の紋章)が窯印として使用されるようになります。
その後も優れたマイスターの技術とアイディアで東洋の磁器にも比肩しうる磁器へと完成されていきました。

マイセンの窯印

meissen_mark コバルトブルーのマイセン窯印の双剣は1722年に採用されました。窯印は、シュヴェルターと呼ばれる窯印を描くことを専門とする絵付師によって一点一点手描きされています。アウグスト強王の紋章である剣の描き方は、歳月とともに微妙に変化があり、当初は剣が真っすぐで鍔の部分はわずかに曲がり、柄頭も表されていましたが、時代が下がるとよりサーベルに似た形となり、刃は優雅に湾曲し、鍔は真っすぐになり、柄頭は示されなくなりました。

また、刃の交差する位置もしばしば上下に移動、さらに、星形や点、弓形などのマークを双剣に書き添えられたのも現れました。こうした窯印の変遷は作品の製作年代決定の手段の一つとなっています。

マイセン磁器製作所の商標として1875年以後、国内外に登録され、かつ法的に保護されています。

 

■窯印年表
1720-
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ヨーロッパ初の磁器を作らせたアウグスト強王のモノグラム。君主が使用する磁器のマークとして用いられる。アウグスト強王の没後もしばしば用いられてるが、20世紀になってからは、製作年を書き加えることによりオリジナルと混乱を避けている。
1731-1763
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交差する双剣は、シュタインブリュックの提案により、ザクセン選帝候の紋章からこの形のままで取り出され、1723年以降、一つの商標として用いられるようになり、1731年から63年には、つねにこの窯印が描かれるようになった。
1763-1774
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1756年以後、とくに1763年から74年には恒常的に、二本の剣の鍔の間に意味の不明な小さな点が一つ表現されるようになり、剣の形もまた、すでにかなり変化をみせている。
1774-1815
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双剣の柄の間に描かれた小さな星形は、マルコリーニが工場長を勤めていた時代の製品であることを示すもので、1774年から1815年まで用いられた。
1815-1820
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〈マルコリーニの星〉の廃止後、1820年まで、柄の間には数字のIが描かれ、その後どのくらいの期間かはっきりしないが、IIも用いられている。
1820-1924
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以後、双剣の窯印には何も加えられることなく、描き続けられた。わずかに緩やかな弧を描いた刃は、比較的高い位置で交差し、それが下方の柄頭を引き立たせている。剣はこの形のまま1924年まで変化しない。
1924-1933
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マックス・アドルフ・ファイファーの経営による時代、剣は優雅に湾曲し、柄頭は描かれなくなり、代わって剣先の中間に小さな点が描かれるようになった。この窯印は1924年から33年まで用いられた。
1933-1945
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1933年から45年まで、双剣の窯印はほぼ一定した形で描かれているが、〈ファイファーの点〉はない。
1945-1947
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第二次世界大戦の終結から1947年までの短期間、上方が開いた弓形が双剣の下に描かれた。
1947~
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今日、双剣の窯印には何も書き加えられない。刃の交差する位置は比較的中央で、鍔は刃と反対方向にほぼ同様の弧を描いている。
mark_10 この窯印は1972年以後の特別な製品に描かれている。また、すべての印刷物にも国立マイセン磁器製作所のシンボルとして入れられている。

当店のマイセンは全てドイツマイセン本店から店主が買付した一級品です

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10年後、30年後、100年後に真の価値がきちんと証明される一級品のご購入を当店はお勧めいたします。
本物志向のマイセン一級品は、ご家族の成長の記として、娘さん、お孫さんへ受け継がせる価値のある品です。3代、4代後の100年後には一級品のアンティークマイセンとしてさらに価値を高めることでしょう